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DBCSインスタンスの作り方

この記事は最新更新日から、2年以上経過しています。

はじめに

これは、DBCSのインスタンスを作成する手順をまとめたものです。DBCSとは、Database Cloud Service略で、Oracle Databaseを含む仮想マシンを利用できるPaaSサービスです。
OSはOracle Linux Server release 6.8がインストールされています。
※ブログの内容は、2018年12月時点のものになります。

前提

Oracle Cloudのアカウントを持っていること。

サービス画面を開く

My Cloud Serviceにサイン・インし、Dashboardを開きます。
左上にあるアイコンをクリックし、左側にナビゲーションメニューを表示させます。
サービスから「Database Classic」を選びます。
DBCSの画面が開きました。

インスタンスを作成する

「サービスの作成」ボタンを押して、インスタンス作成画面を開きます。

インスタンスの情報を入力し、「次」ボタンを押します。
各入力項目の意味は以下の通りです。

① サービス名
インスタンス名を入力します。

② 説明
サービスの説明を入れます。日本語も入力できます。

③ Notification Email
通知を受け取りたいメールアドレスを入れます。インスタンス作成完了時や更新があったときにメールが送信されます。

④ Region
No Preferenceを選択した場合、デフォルトのネットワーク設定が適用されます。
デフォルトでは他のインスタンスや外部ホストからのアクセスが許可されません。
インスタンスへのアクセスを制御する場合は、インスタンスを作成する前にネットワーク設定を追加しておく必要があります。

⑤ Tags
新規で作成することも、既存のtagを選択することもできます。

⑥ License Type
所有するライセンスを使うか、新しくライセンスを購入するかを選択します。
新しく購入するので「Subscribe to a new ・・・」を選択します。

⑦ ソフトウェア・リリース
インスタンスのデータベース・リリース・バージョンを選択します。

  • Oracle Database 11gリリース2
  • Oracle Database 12cリリース1
  • Oracle Database 12cリリース2
  • Oracle Database 18c

11gリリース2は2019年6月初旬に、12cリリース2は2019年1月初旬に作成できなくなります。

⑧ ソフトウェア・エディション
エディションを選択します。

  • Standard Edition
  • Enterprise Edition
  • Enterprise Edition – High Performance
  • Enterprise Edition – Extreme Performance

Oracle DatabaseのEditionは、On-PremisesとCloudで少し異なります。

EditionTypeEdition Name備考
SEOn-PremisesOracle Database Standard Editionバージョン12.1.0.1で販売終了
SE1On-PremisesOracle Database Standard Edition Oneバージョン12.1.0.1で販売終了
SE2On-PremisesOracle Database Standard Edition 2
EEOn-PremisesOracle Database Enterprise Edition
EE-ESOn-PremisesOracle Database Enterprise Edition on Engineered System
DBCS SECloudOracle Database Cloud Service Standard Edition
DBCS EECloudOracle Database Cloud Service Enterprise Edition
DBCS EE-HPCloudOracle Database Cloud Service Enterprise Edition High Performance
DBCS EE-EPCloudOracle Database Cloud Service Enterprise Edition Extreme Performance
ExaCSCloudOracle Database Exadata Cloud Service

⑨ Database Type
データベースタイプを選択します。選択したエディションにより使えるデータベースタイプが異なります。

Standard EditionEnterprise EditionEnterprise Edition (High Performance)Enterprise Edition (Extreme Performance)
Single Instance
Database Clustering with RAC
Single Instance with Data Guard Standby

インスタンスの詳細情報を入力

まずは、サービス構成の設定をします。

① データベース名(SID)
データベース名を入力します。デフォルトは、ORCLです。

② PDB名
プラガブル・データベース(PDB)名を入力します。デフォルトはPDB1です。

マルチテナント・アーキテクチャ

Oracle Database 12cの追加機能「マルチテナント・アーキテクチャ」は、
マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)と呼ばれるデータベース管理システムと
それに内包されるひとつまたは複数のPDBによって構成されます。
CDBにはCDB$ROOTとPDB$SEEDとPDBの3つが含まれています。

CDB$ROOT

Oracle提供のメタデータおよび共通ユーザ

PDB$ROOT

新しいPDBの作成に使用できるテンプレート

PDB

スキーマや表領域、データの集まり
※Oracle Database 11gを選択していた場合、PDB名の入力欄は表示されません。

作成できるPDBの数は、Cloudの場合SEでもEEでも1つだけです。
EEでHPまたはEPを選択すると4096個作成することができるようになります。

SE2EEEE-ESDBCS SEDBCS EEDBCS EE-HPDBCS EE-EPExaCS
作成できるPDBの数1252409611409640964096

③ 管理パスワード
ユーザーSYS、SYSTEMのパスワードです。
パスワードは、1つの小文字、1つの大文字、1つの数値および1つの特殊文字(_、-、#)を
使用した8から30の間の長さの文字である必要があります。

④ パスワードの確認
管理パスワードに入力したパスワードを入れます。

⑤ 使用可能なデータベース記憶域(GB)
15から2048までの値を入れます。

⑥ 合計データ・ファイル記憶域(GB)
使用可能なデータベース記憶域に入力した値によって計算された値が自動で入ります。

⑦ コンピュート・シェイプ
OCPUの数とメモリー量を指定するリソース・プロファイルを選択します。

⑧ SSH公開鍵
編集ボタンを押して、鍵を作成します。
鍵のペアがある場合は「ファイルを選択」ボタンから公開鍵を選択するか、キー値に鍵を入力してください。
SECSH 形式の公開鍵は使えないので、OpenSSH形式の公開鍵を用意してください。

形式Sample
SECSH形式
---- BEGIN SSH2 PUBLIC KEY ----
Comment: 
文字列
---- END SSH2 PUBLIC KEY ----
OpenSSH形式
ssh-rsa 文字列

新規に鍵を作成する場合は、「新規鍵の作成」を選択します。
最後に、「入力ボタン」を押します。
新規に鍵を作成する場合は、ダウンロード画面が開きます。

作成された鍵をダウンロードします。
この鍵はインスタンスにアクセスする際に必要になります。

⑨ Use High Performance storage
チェックを入れると高性能なストレージが利用できますが、追加で課金されます。

次に、バックアップおよびリカバリ構成の設定をします。

① バックアップの保存先
保存先は以下の3つから選ぶことができます。
ただし、データベースタイプがDatabase Clustering with RACまたはDatabase Clustering with RAC and Data Guard Standbyを選択している場合、「クラウドストレージのみ」は選べません。

  • クラウドストレージとローカルストレージ両方
  • クラウドストレージのみ
  • なし

② クラウド・ストレージ・コンテナ
クラウドストレージコンテナのURLが入ります。

③ Username
ストレージ・コンテナ・ユーザーの名前を入力します。

④ パスワード
ストレージ・コンテナ・ユーザーに入力したユーザのパスワードを入力します。

⑤ クラウド・ストレージ・コンテナの作成
新規コンテナを作成する場合、チェックを入れます。

⑥ 合計見積もり月次記憶域(GB)
使用可能なデータベース記憶域に入れた値から計算した値が自動で入ります。

⑦ 既存のバックアップからのインスタンスの作成
新規でインスタンスを作成する場合はNoを選択します。

最後に、Advanced Settingsの設定します。

① Listener Port
リスナーポートを入れます。デフォルトは1521です。

② タイムゾーン
日本を選択します。

③ 文字セット
文字セットを選択します。

④ 各国語文字セット
各国語文字セットを選択します。

⑤ Oracle GoldenGateの有効化
データレプリケーション機能を使う場合はチェックを入れます。

⑥ “デモ”PDBを組み込む
12cの多くの新機能(インメモリーやマルチテナントなど)のデモを含む”デモ” PDBをデータベースに組み込みます。
このPDBを組み込むには、使用可能なデータ・ファイル記憶域が25GB以上必要です。

インスタンスの作成

右上のSelection Summaryにカーソルを合わせると、選択したデータベースのバージョンやエディションを確認することができます。

内容を確認後、作成ボタンを押します。

インスタンス作成完了

ステータスが「実行中」に変わったら、インスタンスの作成は完了です。
このとき、Notification Emailにメールアドレスを入れていた場合、no-reply@oracle.comからインスタンス作成されたことを知らせるメールが送信されています。

パブリックIPアドレスにsshでログインできます。ユーザは「opc」、秘密鍵はインスタンスを作成するときに指定した公開鍵のペアか、新規で作成しダウンロードした秘密鍵を使います。
rootとしてログインすることはできません。

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